マイホームの購入や事務所ビルなど、不動産を購入する際、一般的には多くの方が住宅ローンを利用します。
不動産の購入には、物件費用以外にもさまざまな費用が発生するため、できるだけ多めに借り入れたいと考える方も少なくないでしょう。
そこで今回は、不動産の購入を検討する方に向けて、気を付けたいオーバーローンの概要や危険性についてご紹介します。
不動産を購入するときに気を付けたいオーバーローンとは?
もともとオーバーローンとは、貸出超過を指す経済学用語の一つですが、不動産の売買のうちとくに住宅ローンの借入時に次のような意味合いで使われます。
オーバーローン…物件価格以上の金額について融資を受けること
不動産を購入するときには、物件価格に加えて、印紙税や不動産取得税などの税金、仲介手数料、火災保険料などの諸費用が発生します。
こうした諸費用は一般に物件価格の6%~10%といわれ、たとえば3,000万円の建売住宅を購入する場合、180万円~300万円を加えて支払わなくてはなりません。
上記のケースでは、物件価格に諸費用分を加えた3,300万円を借り入れることをオーバーローン、物件価格全額である3,000万円を借り入れることをフルローンとよびます。
不動産をオーバーローンで購入したいときの注意点
オーバーローンを利用することで、諸費用や物件の頭金について、手元に資金がなくても不動産の購入が可能です。
従来頭金の用意がなければ審査が通らないこともありましたが、近年では融資のハードルが下がり、オーバーローンを積極的に提供する金融機関も見受けられます。
一方で、住宅ローンのなかに不動産購入の諸費用が含まれないケースもあるため、注意が必要です。
一般的に住宅の購入を目的とするローンの場合、金利は低く設定されていますが、物件購入時の諸費用は住宅ローンに含まれず、別枠で融資を勧められることがあります。
この場合には、住宅ローンと異なる金利で借り入れることになるため、金利や返済計画には十分な注意が必要です。
不動産購入におけるオーバーローンのリスクとは
オーバーローンの利用は、手元に資金がなく、返済計画が十分に練られている場合には何の問題もありません。
しかし、リスクへの備えがない時は最悪の場合、自己破産といった事態に繋がってしまいます。
借入金額が物件の価格に見合った額であれば、仮に突然の不幸や失職などで返済ができなくなってしまったとき、担保となっている住宅を売却することで難を逃れられます。
オーバーローンの場合は、物件価格以上の融資を受けているため、住宅を売却してもローンの残債が支払いきれず、自己破産するしかなくなってしまうのです。
十分な自己資金を用意できない場合でも、ゆとりある返済プランを立て、無理のないローンの利用を心がけることが重要です。