不動産購入において「現状渡し」という条件で購入をするケースも多くありますが、そもそも現状渡しとはどういうことなのでしょう?
今回はまずその点を説明したうえで、現状渡しで不動産購入をすることのメリットとデメリットも挙げていきます。
不動産購入においての現状渡しとは一体どういうもの?
不動産購入において「現状渡し」とはどういうものかというと、簡単にいえば「キズや不具合などの瑕疵などを修理・補修せずそのまま=現状のままで物件を引き渡す」というものです。
もちろん瑕疵のある箇所自体は売主(と不動産業者)が買主に伝えたうえで契約を結ぶ形になりますが、売主から見れば「ここが悪い、ここがキズついているという事実は伝えるけどその対処はこちらではしないよ」という趣旨の契約になるわけですね。
現状渡しで不動産購入をすることのおもなメリットとは?
現状渡しで不動産購入をすることのおもなメリットとしては、以下のようなものが挙げられます。
●キズや不具合などの瑕疵をそのままにしている分、修理や補修費用が物件価格に上乗せされていないので安く買える
●物件を「見たままの状態」で購入できるため購入後の物件のイメージが容易につかめる
●不具合などの修理・補修を兼ねて好きなようにリフォームできる
購入価格の安さや、あえて手をつけていない物件だからこそリフォームの自由度が高いということなどが、現状渡しの大きなメリットということですね。
現状渡しで不動産購入をすることのおもなデメリットとは?
現状渡しで不動産購入をすることのおもなデメリットとしては、以下のようなものが挙げられます。
●修理や補修にかかる費用が自己負担となるため購入後の初期費用が多くかかる
●契約時に説明がなかったキズや不具合などの瑕疵に関しては購入後から1年以内に気づけば売主に「契約不適合責任」として責任を負ってもらうことができるが、その期間を過ぎてから瑕疵に気づいても自己責任となってしまう
●契約不適合責任そのものを免責とする特約を契約に盛り込むよう売主から要求される可能性もある
こうして見ると、現状渡しの物件購入のデメリットをできるだけ減らすためには「契約前の入念な物件チェック」が重要であることがわかります。
売主から説明されていない瑕疵の発見や、購入後にかかる修理や補修費用の見込みを立てるためにも、現状渡し物件の事前チェックはとことんやっておきましょう。